1950年代後半、テレビという新しいメディアが発達するとともに、モノの大量生産と大量消費が始まるようになりました。おもちゃもまた例外ではありませんでした。大量に生産されたおもちゃがテレビで宣伝され、大量に消費される時代がやってきたのです。そして大量に消費されたおもちゃは、大量に廃棄されることになっていきます。同じころ、「子どもの遊び」や「子どものためのおもちゃ」の重要性を説く運動がドイツで始まりました。子どもが育っていく過程の中で、どれほど遊びが重要な要因を占めるかを説く運動でした。子どもは遊びを通じて自分を取り巻く世界と接していきます。言い換えれば、子どもは遊びを通じてしか学ぶことができないのです。子どもにとっての「遊び」は「学び」と同じ意味を持つのです。
 有馬玩具博物館が収蔵するおもちゃの数は約四千点。コンピューター全盛の現代において、現代に生きる子どもたちが知らないおもちゃ、親たちでさえ遊んだことがないおもちゃを世界中から集めました。おもちゃは手にとって遊んでこそおもちゃ。館内には実際に手に触れて遊べる部屋も用意しました。有馬玩具博物館は「今の時代に生きる子どもたちの遊び」を子どもたちとともに検証し、研究してきたいと考えています。


有馬玩具博物館
館長 西田明夫


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